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1951(昭和26)年
国鉄−松竹
04.21(悠久山)
04.22(白山・ダブル)


金田の好投、“水爆打線”の猛攻撃
息詰まる投手戦あり、ワンサイドゲームあり
 2リーグに分立した前年、プロ野球は新潟県内で実に12試合が開催され、いずれも盛況
だった。顔見世という意味合いもあったが、両リーグで15球団の大所帯となったプロ野
球、試合消化を効率よく進めなければならないという事情もあったのだろう。


 翌1951(昭和26)年は幾分落ち付いたか、新潟県内で行われた公式戦は、セ・リーグの
2カード5試合を数えるのみとなった。
 まず1カード目は国鉄スワローズ−松竹ロビンス。4月21日(土)長岡・悠久山野球場、
翌22日(日)は新潟市営白山野球場でダブルヘッダー。前年は県内で初めてダブルが行わ
れたが、これは3〜4球団による変則ダブルヘッダーで、同一カードのダブルヘッダーは
これが初めてである。主催は新潟日報社、後援は新潟鉄道管理局、国鉄新潟営業事務所
(いずれも現JR東日本新潟支社)であった。
 因みにこの4月、マッカーサー元帥がアメリカへ帰国したが(16日)、日本が戦後の占
領下、統制下から一歩踏み出した、記念すべき月でもあった。


 松竹ロビンス(もと大東京、ライオン、太陽など、のちに大洋と合併)は前年、圧倒的
な独走で、セ・リーグの初代覇者に輝いた。
 137試合を闘って、98勝35敗4分、勝率.737。今の流儀で言うと、貯金は実に63。2位
の中日に9ゲーム差をつけてのダントツの優勝だった。しかしその中日が貯金45、続く
3位の巨人が貯金18を稼いでも、まるで相手にならないのだから凄い。新球団の濫立に
よる技術力の低下などを差し引いたとしても、あまりに途方もない数字だ。攻守のバラ
ンスも良く、チーム打率.287は15球団中トップ。チーム防御率3.23も、巨人の2.90に
次いで全球団中2位と、戦力も整っていた。11月の日本ワールドシリーズ(開設当初、
日本シリーズはこの呼称だった)では残念ながら2勝4敗で毎日オリオンズに敗れ、初代
日本一の座は勝ち取ることができなかった。
 それだけでなく、タイトルホルダーも多数生まれた。本塁打王(51本)、打点王(161
打点)は小鶴誠で二冠、盗塁王(74個)は金山次郎、最多勝(39勝)は真田重男、最優秀防
御率(2.03)は、新人の左腕・大島信雄。これらには、50年を経ても未だに破られてい
ない記録もあり、小鶴がマークした161打点は今尚プロ野球記録である。金山の74盗塁
を超えたのは、セでは、83年に松本匡史(巨人)が76個をマークした、その一度だけで、
今もリーグ歴代2位の数字である。
 この他、MVPには二冠王の小鶴、新人王には大島、沢村賞は真田。ベストナインには
投手・真田と捕手・荒川昇治、外野の小鶴の3名が選出と、ロビンス勢がタイトルを総
ナメにしてしまった。このスラッガー・小鶴誠を中心とした、球界随一の強力打線は
「水爆打線」と揶揄され、他球団の脅威となった。今季ここまで4勝4敗1分の五分では
あるが、上位進出は時間の問題とされた。

 一方の国鉄の昨年はというと、セ8球団中7位。新球団の中で立ち上げが最も遅れたこ
ともあり、また全国の鉄道局の精鋭を集めたとはいえ、戦力的にも戦術的にも限界があ
ったか。因みに4位以下の成績をすべて挙げると、4位は阪神で70勝67敗3分。5位は大洋
で69勝68敗3分と、セの新球団勢の中ではトップの成績。かなりの健闘と言ってもいい
だろう。以上5球団は5割ラインに到達したが、6位・西日本が50勝83敗3分、7位・国鉄
が42勝94敗2分、最下位は広島で41勝96敗1分と、新球団はいずれも大きく負け越した。
 しかし、この51年のシーズンを前に行われた読売旗争奪トーナメントで、国鉄は初優
勝を成し遂げたのである。これで勢いに乗った若燕は、シーズン序盤から快調を維持し
阪神に4連勝した他、名古屋(中日は51〜53年の間、中日新聞社の他、名古屋鉄道も資本
参加)にも連勝。4月15日、第3節を終わって8勝3敗で2位・巨人に1.5ゲーム差をつけて
首位に立った。その原動力は何といっても投手力の強化にある。田原、高橋、古谷に加
え、昨秋に入団、のちに400勝投手となる金田正一の存在が大きい。野手陣も前年のノ
ンプロ臭がなくなり、大幅に補強されたことで、プロとして闘う体制が整ったといえる
だろう。

 しかし両チームの昨季戦績は、松竹の18勝1敗と完全に圧倒。ロビンスが、国鉄を完
全に“御得意さん”にした格好だ。この51年シーズンに入っても、過去3戦のスコアは
4−0、4−0、11−4でいずれも松竹が勝利。国鉄のここまで3つの黒星は、この松
竹を相手に食らったもの。やはり、苦手は生きていたか。今回の新潟での3連戦も、戦
前の予想は松竹が圧倒的に有利とされていた。


●04.21 悠久山
 さて昨年、国鉄は新潟での試合に地元・新鉄局出身の土佐内を起用したが、この年も
この新潟シリーズ3連戦を通じて起用されることが決まっていた。

 両チームは試合前日の20日、相次いで長岡に入った。まず午前11時54分着の急行で、
松竹の9選手が到着。続いて午後3時42分着の列車で松竹、国鉄の全選手が長岡駅に降り
立った。駅前に黒山の如く詰めかけた豆ファンの出迎えを受け、それぞれ駅周辺のます
や旅館、寿屋旅館に投宿。直ちにグラウンドで練習を行った。

 さてその日、国鉄の宿舎でインタビューを受ける金田正一の姿があった。
長岡駅に到着した国鉄の選手一行の中で、飛びぬけて背の高いのが金田。「満18歳、六
尺をちょっと越してます」と、初々しくはにかむ。享栄商(現享栄高)を中退して、前年
秋国鉄に入団、速球とカーブを武器に、早くも「沢村二世」の呼び声も高い。
 しかし、あどけない表情の金田は、思わず「坊や」とでも呼びたくなるほど。
Q)調子がいいですね。
 まだまだこれからですよ。夏に向かって、ますます良く
なります。(昨オフの冬季トレ等での)ウチのトレーニング
は凄かったですよ。レギュラーバッティングを投げ通しま
した。

Q)怖いバッターは?
 さあ…。でも、よく打たれるんです。去年は打たれても
ともとでしたけど、今年は2年生ですから、ベストを尽く
して一戦一勝主義でやってます。

Q)三振、随分取ったね。
 ええ。去年は14取りました。今年は11個を2回取りまし
た(名古屋、阪神から)。三振、三振と言うけれど、三振奪
取王になる野心はありませんよ。相手をシャットアウトす
るのが、一番楽しみです。けど、相手が三振してくれるん
だから、三振奪取王になっちゃおうかな。
 と、いたずら小僧のように舌をぺろっと出しておどけた。
 純白のユニフォームに、紺の帽子とストッキングがよく似合う。しかし、その内側は
邪気のない、あくまでも「坊や」の風情だ。


 また夜7時半からは新潟日報社、シバタ興行が主催する前夜祭が、東坂之上町にあっ
た長映劇場で行われた。松竹からは新田監督の他、小鶴、岩本、真田、大島の各選手、
国鉄からは西垣監督の他、宇佐美、初岡、金田の各選手が出演。ステージからファンに
挨拶、ラジオ座談会、隠し芸の披露、サインボールの投入などが行われた。小鶴は先に
巨人・川上らと共にサンフランシスコ・シールズの春季キャンプに参加するため渡米し
たが、その土産話を披露したとのことだ。


 明けて21日、悠久山球場には早朝からファンが詰めかけ、花火を合図に開門。午前10
時には内野席を埋め尽くすという盛況ぶりで、1万人近くの観衆が詰めかけた。満員の
スタンドには、アイスキャンデーの売り子も登場した。

 先発は国鉄・金田、松竹・大島。両左腕エースの登板に、投手戦が予想された。
 金田は立ち上がりからコントロールに苦しんだものの、速球、カーブとも冴えを見せ
初回は三者三振に斬って取った。
 しかし3回、三村にストレートの四球を与えた後、ラストバッターの大島に二塁打を
打たれ、更に金山四球の後、小鶴がヒット。松竹が金田から、まず2点を先制した。
 一方の大島は、3回まで三者凡退に斬って取る無難な立ち上がり。大島の前に1巡目は
沈黙していた国鉄は4回、初岡、宇佐美の2安打などで満塁にするも、結局無得点。しか
し5回、一死一、二塁、中村の三ゴロはゲッツーコース。しかしこれをセカンド・金山
が併殺を焦って一塁に悪送球し、国鉄はこれに乗じて1点をもぎ取って、1点差に詰め寄
った。金田はこの間立ち直り、4、6回はそれぞれ2奪三振と好投。
 ところが7回、水爆打線が遂に猛威を振るう。まず、宮崎の遊ゴロを中村がエラー。
これをきっかけに、続く大島が左前打、トップに還って金山が右翼線に二塁打、荒川が
右中間真っ二つの三塁打と続き、小鶴は投飛に倒れたものの、仕上げは岩本が左翼へ豪
快に2ランホーマー。国鉄外野陣がもたついたのにつけ込んで、また金田の速球が高め
に浮き始めたのを見逃さず、シングルからホームランまで綺麗に揃えて一挙5点を追加
し、一気に突き放した。8回には、2番手の村松から吉田の安打と3四球で1点を追加。
 結局、8−1で松竹が、今季対国鉄4連勝を挙げた。

 金田は8個の三振を奪いながらも制球力がなく、終盤になってカウントを取りに行っ
たボールをことごとく叩かれてKO。
 一方、大島は被安打6、無四球で完投。速球とシュートで国鉄打線を翻弄し、6回以降
は最終回に2安打を打たれただけ。
 ともあれ、点差が開いた割には金田の好投と水爆打線の猛攻が楽しめた、ファンには
たまらない一戦だったに違いない。

 尚、土佐内は途中出場。2打数ノーヒットに終わった。




4回戦 (松竹 4勝)
長岡・悠久山野球場 8,000人(13,000人表記あり)
13:55開始 1時間58分
0 0 2 0 0 0 5 1 0 8
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1
(勝) 大島
(敗) 金田
(HR) 岩本2号(2、金田)

松 竹   国 鉄
(4) 金 山 4 1 1 (6) 中 村 4 0 0
(2) 荒 川 4 1 3 (8) 初 岡 4 2 0
(8) 小 鶴 5 1 1 (9) 藤 田 4 0 0
(9) 岩 本 5 3 2 (3) 宇佐美 4 2 0
(3) 大 岡 3 0 0 (7) 岩 橋 1 0 0
(7) 吉 田 5 1 0 7 小 川 3 0 0
(5) 三 村 4 0 0 (4) 福 田 4 1 0
(6) 宮 崎 2 0 0 (2) 佐 竹 4 0 0
(1) 大 島 3 3 1 (5) 川 島 2 0 0
5 土佐内 2 0 0
(1) 金 田 3 1 0
1 村 松 0 0 0


35 10 8 35 6 0
振10 球7 犠1 併1 残8 振6 球0 犠0 併2 残7

松 竹   国 鉄
大 島 9 金 田 7
村 松 2

(審判)PL武井、1B島、3B円城寺

(三塁打)荒川
(二塁打)大島、金山
(盗塁)松1、国1
(ボーク)金田
(失策)金山、三村2、宮崎、中村



●04.22 白山
 悠久山での試合終了後、両チームは直ちに長岡を発ち、午後7時27分着の列車で新潟
入りした。松竹は源川旅館、国鉄は西山旅館、審判ら役員団は白山浦の大野屋旅館に
入った。
 そして夜8時半から、古町の松竹館で前夜祭が行われた。館内を埋めた観客の拍手に
迎えられ、松竹からは小鶴、真田、大島、岩本、国鉄からは金田、土佐内、宇佐美、
古谷、高橋の計9選手がステージに登場。後楽園球場のウグイス嬢・甲斐さんによる選
手紹介、続いて松竹館から小鶴に、国鉄新潟営業所からは金田、土佐内の各選手に花束
が贈られた。その後、小鶴選手の渡米土産話などがあった後、サインボールの投げ込み
が行われ、夜9時に閉幕した。

 国鉄は、悠久山で金田を立てて必勝を期したものの、その頼みの金田がノックアウト
されて、遂に4連敗となった。
 白山でのダブルでは、田原と高橋を立て、更にリリーフに古谷を用意して、万全の態
勢を敷くものとされた。ただ、主軸を打つ土屋と千原を負傷で欠いて、打線がなかなか
つながらない。苦手が相手とあっては、1勝1敗でも御の字か。
 かたや松竹は、今季対国鉄3連勝した試合にいずれも先発した小林恒夫と、真田、島
本を先発要員に持っていき、得意の国鉄を叩いて、一気に上位進出を目論んでいた。


 さて、主催の新潟日報社では、当日白山球場に来場した観客に自転車や服地が当たる
抽選券を配布した。入場時に、入場券と引き換えに番号の入った抽選券を渡し、第1試
合終了後に抽選を行い当選番号を発表、当選者には特賞として自転車1台、二等として
南蒲原郡見附町(現見附市)の織物工場提供の紺サージを6ヤードと野球バット、同じく
二等として、古志郡栃尾町(現栃尾市)織物協同組合提供の紺サージ一反とバットが贈ら
れた。

 また、23日(月)は市町村選挙の投票日。前日となったこの日、白山球場前では開場前
の人出を狙って街頭演説が繰り広げられたという。


第1試合
 快晴に恵まれた、日曜日の白山球場。
 午後1時、まず第1試合が開始された。先発は戦前の予想通り、国鉄は田原、松竹は
小林恒。
 初回、水爆打線がいきなり忍び寄る。
先頭の金山が凡退の後、荒川は四球、小鶴が中前打して、一死一、二塁と先制のチャン
ス。ここで、国鉄バッテリーは岩本を敬遠して満塁策を取り、大岡と勝負。これが奏功
し、大岡、続く吉田を打ち取って難を逃れた。
 2回、国鉄は久保が安打、その久保を置いて川島が適時打して幸先よく1点を先制。
しかし4回、松竹は三村の適時打で同点に。
 5回表、松竹が攻めたてて一、二塁のチャンスを迎え、ここでまたも岩本。国鉄バッ
テリーは歩み寄ったり、ベンチを伺ったりとそわそわ。岩本は打席でバットを片手に
引っ提げて「勝負、勝負!」と、国鉄ベンチに野次を飛ばして煽った。結局勝負したが
岩本は凡退、無得点に終わった。
 しかし6回、大岡と吉田が連打したところで、国鉄は古谷にスイッチした。1点は失っ
たものの、この回は切り抜けた。
 国鉄は5回、初岡と藤田が連打したものの、併殺網に掛かって無得点。逆転されて迎
えた続く6回、遊ゴロ失策とセーフティーバントでランナーを出したところで、松竹も
継投策に。2番手に真田を送り込んだ。しかし、こちらも1点を失い、同点に。
 終盤は、この2番手の古谷と真田が好投。古谷は重い速球とカーブを武器に、被安打
2で付け入る隙を与えない。かたや真田も剛速球に冴えを見せて無失点。このまま延長
かと思われた。
 9回の攻防。まず表、松竹は先頭の真田が三塁強襲の内野安打。続く金山も三塁線を
抜いた。これを荒川が送って、一死二、三塁とした。ところが、このチャンスに小鶴は
投飛に倒れ、二死となったところで、三たび岩本に廻ってきた。しかし、ここでまたも
敬遠。これに岩本はくさることくさること。結局、この満塁のチャンスも大岡が三飛に
倒れ、得点することができなかった。
 いよいよ延長かと思われたその裏、国鉄は一死後、川島が四球を選んで塁に出た。続
く古谷は遊ゴロ。これを三村が失して野選となり、一、二塁。中村が倒れて二死。この
土壇場で、バッターは2番の初岡。真田の直球を捕らえ、センター前に弾き返した。
サヨナラタイムリー。国鉄が3x−2で勝ち、対松竹戦は今季初勝利となった。

 尚、土佐内は第1試合には出場しなかった。


 因みに試合途中、国鉄が攻撃中のこと。球場近くを走る白新線(信越線貨物支線、現
越後線)を通過していた貨物列車が突然減速し、そして停まった。すると汽笛を二声、
三声と鳴らして、そしてまた走り去っていった。恐らく、列車の乗務員は国鉄の応援を
洒落込んだのであろう。



5回戦 (松竹 4勝1敗)
新潟市営白山野球場 −人
--:--開始 2時間13分
0 0 0 1 0 1 0 0 0 2
0 1 0 0 0 1 0 0 1x 3
(勝) 古谷
(敗) 真田

松 竹   国 鉄
(4) 金 山 5 2 0 (6) 中 村 5 1 0
(2) 荒 川 1 0 0 (8) 初 岡 5 2 1
(8) 小 鶴 5 1 0 (9) 藤 田 4 2 0
(9) 岩 本 3 0 0 (3) 宇佐美 2 0 0
(3) 大 岡 5 1 0 3 石 川 1 0 0
(7) 吉 田 4 1 1 (7) 久 保 4 1 0
(5) 三 村 3 1 1 岩 橋 0 0 0
(6) 宮 崎 3 0 0 (4) 福 田 3 1 0
(1) 小林恒 3 0 0 (2) 佐 竹 4 0 0
1 真 田 1 1 0 (5) 川 島 3 2 2
(1) 田 原 1 0 0
1 古 谷 2 0 0


33 7 2 34 9 3
振3 球7 犠1 併3 残12 振2 球3 犠1 併0 残9

松 竹   国 鉄
小林恒 田 原
真 田 古 谷

(審判)武井、島、円城寺


(盗塁)松2、国1
(失策)宮崎、小林恒、中村、古谷
(野選)松1


第2試合
 続く第2試合、先発は国鉄・高橋、松竹は第1試合で救援登板したものの、結局敗戦投
手となった真田。
 初回の松竹、小鶴が第1号ソロホーマー。左翼320ftを超える大アーチが飛び出した。
しかし2回、国鉄は佐竹、川島、高橋の三連打の後、更に中村の犠飛で2点を奪って、逆
転に成功した。
 3回表、松竹が小鶴、岩本が連打。国鉄はここですかさず継投策に打って出、再び古
谷がマウンドに上がった。古谷はこの後、一死満塁のピンチを切り抜け、再逆転を許さ
なかった。
 真田は連投で本調子を失ったか、5回、遂に捕まった。国鉄は先頭の古谷が内野安打。
一死後、初岡が右前打、一、三塁となって、続く藤田はバッターボックスに入るや、ホ
ームベースを自ら掃き清めて願掛け。これが霊験あらたか、見事右中間に適時三塁打を
放った。更に石川が適時二塁打とつるべ打ち。一挙3点を追加して、真田を引き摺り下
ろした。更に7回は、代わった島本から中村の内野安打、初岡の二盗、三盗に捕手の悪
送球が絡んで追加点を加え、第1試合のサヨナラ勝ちで波に乗ったムードを駆って、一
方的に試合を展開した。
 2試合連続で救援登板した古谷は、3回途中から最終回まで、水爆打線を相手に散発僅
か4安打に抑える好投で、2試合連続勝ち投手。かたや真田は、2試合連続敗戦投手。同
じ10安打を放ちながら、散発で攻撃が途切れ途切れに終わった松竹に対し、セーフティ
ーバントを生かし、チャンスをことごとくモノにした国鉄の攻撃が光る試合だった。

 この新潟シリーズ、国鉄は初戦は落としたものの、ダブルに連勝して首位を守った。


 尚、土佐内は第2試合、先発の川島に代わって途中出場し、1打数無安打。そしてこれ
が、土佐内がプロとして、地元で見せる最後の姿となった。彼はこの年オフに国鉄を戦
力外となり、翌52年からは新鉄局に復職、野球部で選手、コーチ、監督などとして長ら
く現場に仕えた。



6回戦 (松竹 4勝2敗)
新潟市営白山野球場 −人
--:--開始 1時間45分
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
0 2 0 0 3 0 1 0 x 6
(勝) 古谷
(敗) 真田
(HR) 小鶴1号(高橋)

松 竹   国 鉄
(4) 金 山 5 1 0 (6) 中 村 3 1 1
(2) 荒 川 4 1 0 (8) 初 岡 4 2 0
(8) 小 鶴 4 2 1 (9) 藤 田 3 1 2
(9) 岩 本 4 2 0 (3) 宇佐美 2 0 0
(7) 吉 田 3 0 0 3 石 川 1 1 1
(5) 三 村 4 1 0 (7) 久 保 2 0 0
(3) 小林章 4 0 0 H 小 川 1 0 0
(6) 宮 崎 4 2 0 7 岩 橋 1 0 0
(1) 真 田 3 1 0 (4) 福 田 4 0 0
1 島 本 1 0 0 (2) 佐 竹 4 2 0
1 大 島 0 0 0 (5) 川 島 3 1 0
5 土佐内 1 0 0
(1) 高 橋 1 1 1
1 古 谷 3 1 0


36 10 1 33 10 5
振2 球3 犠0 併2 残10 振4 球2 犠1 併2 残6

松 竹   国 鉄
真 田 高 橋
島 本 古 谷
大 島

(審判)PL島、1B武井、3B円城寺

(三塁打)藤田、佐竹
(二塁打)初岡、石川
(盗塁)松1、国2
(失策)宮崎、小林恒、中村、古谷






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(1950)interlude
新発田市営球場
<--> (1951)
09.04 G−W(白山)、05(栃鉄悠久山)


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