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| 1952(昭和27)年 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 大洋−名古屋 05.03(高田) 05.04(悠久山) 05.05(白山・ダブル) 初の4連戦、連日息詰まる展開はまさに熱戦十合 鯨が竜を4タテ、うち3試合が劇的な逆転勝ち |
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| 1952(昭和27)年、新潟県内で開催されたプロ野球公式戦は、全部で3カード7試合。 最初にやってきたのは名古屋ドラゴンズ−大洋ホエールズの3ヶ日4連戦だった。 名古屋ドラゴンズと聞いても、ピンとくる方は少ないだろう。 実は中日ドラゴンズは51〜53年の3年間だけ、中日新聞社の他に、名古屋鉄道も資本参加 していたため、このチーム名を名乗っていた。 西沢、児玉、杉山の主砲トリオは絶好調。チーム打率は実に.271、平均で5点強を誇る得 点力。杉山と言えば、49年8月12日の対東急戦(白山)で、1試合3本塁打と大爆発したのが、 県民の印象に深く残っているところ。投手陣では何といっても「フォークボールの魔術師」 杉下に尽きる。ここまで第5節を終わって13勝8敗で2位に付ける名古屋、そのうち実に7勝 までがこの杉下によるもので、両リーグを通じてハーラートップの数字である。というのも この年序盤、杉下はほぼ1日おきのペースで登板して、この数字を稼ぎ出していたのだ。 大洋ホエールズは、同じく第5節を終わって12勝9敗で3位と、好調な滑り出し。名古屋と は1.5ゲーム差である。大洋はこの52年から、後に「球界の粋人」と謳われることとなる、 小西得郎が監督に就任。新戦力として、松竹から岩本、毎日から荒川なども加わり、打線 では打率上位に名を連ねる宮崎をはじめ、藤井、安居も好調。チーム盗塁数は国鉄に次い で2位の41個。機動力を絡めたしぶとい野球へと脱皮を図っていたことが窺える。投手陣で は、新加入の清水、有村のベテラン左腕が揃って安定。エース・高野は3勝4敗。負け越し てはいるものの、完投が多く、投球内容は充実していた。 好調キープで首位奪回を狙う名古屋、ダークホースならぬダークホエールぶりを発揮した い大洋。上位戦線生き残りを賭けて、皐月の越後路に、両雄が相見える。 |
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| ●05.03 高田 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 前日の2日午前11時、まず大洋が高田に入った。1日、対松竹戦ダブル(大阪)に連勝し、 この余勢を駆っての新潟シリーズ。高田ステーションホテルで旅装を解き、正午から市営 球場で約1時間練習を行い、見物に訪れたファンにその強打ぶりの片鱗を御披露目した。 一方の名古屋も同じく1日の対巨人戦(後楽園)に4−2と快勝、午後5時半、意気揚揚と 高田へ乗り込み、東洋館に投宿した。 前日の両軍監督のコメント。 大洋・小西監督 現在首位の巨人に追い付くためには、今度の4連戦はぜひ勝たねばならぬ大切な 試合だし、それだけに厳しい。最悪の場合でも、2勝2敗にもって行きたい。 うちの今年の打線はしきりにヤマが高く、神田、有村といった新人の投手陣も 十分投げられるので、ファンの期待に沿える試合がやれるつもりだ。 名古屋・坪内監督 とにかく大事な4連戦だが、打ちまくった方が勝つ公算が大だ。初日の高田で の試合に勝てば、大丈夫勝ち越せる。 うちの打線は依然当たりが出ているし、大洋には怖い投手はいない。要は、 私が投手の起用を誤らないことが勝ちだ。 勢いに乗る両チーム。この4連戦は熱戦が期待された。 さて、名古屋の杉山悟がこの日、宿舎でインタビューに応じている。長打力がありなが らも、粗っぽさも目立ち、一時は「ホームランか三振か」とも叩かれた杉山。しかし、こ こまで二冠王を突っ走っている。ホームランが16本。ここまでの28試合での数字だから、 1.7試合に1本のペースで、これはベーブ・ルースや50年の小鶴誠(松竹)を上回る、前人未 到のハイペースだという。打率でも.376でダントツの首位打者。プロ5年目にして、その 才能が一気に開花した。 六尺余、二十貫の巨漢。しかし、はにかみ屋で親しみやすいその姿から、チームメイト からは「デカちゃん」と呼ばれ、愛された男。新潟のファンには、前掲の1試合3ホーマー でその名を知られているが、インタビューでもその好漢ぶりを見せた。
持てるところだ。「デカちゃん」たる所以を垣間見せた杉山。“無心”だからこそ、好調 なのだろう。旅館の丹前を着て、明日に備えてバットを入念に手入れする彼の姿が、より 一層頼もしく見えた。 5月3日、高田は快晴。絶好の野球日和に恵まれた。市営球場には朝8時の開門を待ち切 れずに早くからファンが殺到、開門2時間後には早くも内野スタンドは超満員の大盛況だ った。 11時半、両チーム選手が入場。フリーバッティングでは杉山、西沢、岩本、荒川らの打 球に、声援がしきりに飛んだ。午後1時、約8千人の観衆を呑み込んだ高田市営球場に、球 審・円城寺のコールが響いてプレイボール。名古屋の先攻。 先発は、大洋・江田、名古屋・星田。 序盤は静かな立ち上がり。3回、名古屋は原田の適時二塁打で、まず1点を先制。しかし 5回、大洋が逆転。3四球と2失策で2点を奪った。6回の名古屋、今度は荒川の2連続エラー で2−2の同点。しかしその裏、大洋は安居の二塁打と牧野のエラーで勝ち越し。このよ うに、中盤までは両チームともエラー絡みで失点するという、少々興をそぐ内容だった。 しかし試合は、終盤からは更に目まぐるしい展開を見せる。 7回、名古屋が一気に攻め込む。先頭の鈴木が一塁線をイレギュラーするラッキーなヒッ トで出塁。続く牧野が一塁線へバント。これが絶妙なセーフティになり、牧野も生き残っ た。このバントの判定をめぐって、15分間試合が中断。スタンドは大いに盛り上がった。 再開後、更に原田が安打して無死満塁。そしてここで迎えるのは、主砲・西沢。江田の3球 目を強振。左中間場外へ消える340ftの大アーチは、何とグランドスラム(今季第8号)。 この満塁弾を含め、名古屋は一挙5点を挙げ、大洋を一気に突き放した。 ところが、この日はここで終わりではなかった。その裏、大洋も負けじと猛攻を見せる。 一死後、木村勉・四球、宮崎・テキサスヒット、岩本・安打、安居・四球、荒川・中前打 と連打攻勢で3点を奪い、1点差に詰め寄った。 そして9回、大洋は岩本の安打を足がかりに、土壇場で二死満塁。のるかそるかの大舞台 で、代打・木村保が三遊間を破る適時打を放ち、遂に8−8の同点となり、試合は延長戦 にもつれ込んだ。 10回、名古屋は無死から二塁打の野口を松本が送り、そしてこれを大島のスクイズで還 す、手堅い策で1点をもぎ取り、決勝点を挙げた、かに見えた。 だが、フィナーレは呆気ない形で訪れた。 10回裏、大洋は中日5人目、スクイズを決めた大島を攻め、一死後、宮崎が内野安打でしぶ とく出塁。続く藤井が右前打で一、三塁のチャンス。ここで迎えるは岩本。しかし、併殺 コースの遊ゴロに打ち取られた。万事休したか。ところが、牧野からの送球を、併殺を焦っ たセカンド・小沢が後逸。この間に宮崎はホームを踏んで同点。 一転してサヨナラのピンチを迎えた名古屋は、続く安居を敬遠して満塁策を選択。一死満 塁。しかし一旦変わった流れは、もう手許には戻らなかった。続く荒川も四球を選んで、遂 にサヨナラ押し出し。9−8で、大洋が逆転サヨナラ勝利を収め、両チームは同率2位とな った。 というわけで大乱戦。大洋3人、名古屋は5人の投手をつぎ込んで、しかも杉下まで投入。 結局、名古屋はエラーがもとで白星を逃した格好だが、両チーム合わせて名古屋5、大洋3の 計8失策。これは市営球場のグラウンド状態が著しく悪く、凸凹が多いためにイレギュラー が頻発したのが原因、と当時の紙面にある。 ともあれ、最後まで執念で攻めたてた大洋が、乱戦を制した。 |
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4回戦 (大洋 3勝1敗) 高田市営球場 8,000人 13:--開始 2時間47分
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| ●05.04 悠久山 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 両チームは夕方5時過ぎの列車で高田を後にし、午後8時前に長岡に到着、各々宿に入っ た。 さて、大洋が投宿した長岡駅前のますや旅館に、インタビューを受ける岩本義行の姿が あった。御年四十一。甲子園、神宮と活躍を続けた青年期を経て、常に日本プロ球界の第 一線に厳然と位置するベテランである。 宿の前で、鈴なりになってサインをねだる小学生のファンたちに、快く応じてペンを走 らせる岩本。記者の「初めてボールを持ってから、何年になりますか」の問いに「そうだ な、何年になるかなー…。自分でもちょっと思い出せないな」と苦笑。「まあ、小学校5年 の時に初めてボールを持ったんだけど、プロ生活は途中5〜6年の中断を引くと、10年の勘 定になるな」と、ぽつぽつ。そしてひと風呂浴びた後、部屋で浴衣姿で煙草をくゆらしな がら記者の問いに答えてゆくのだが、まだまだ若い連中には負けちゃおれんぞ、とばかり の血の気の多さを覗かせる。
「41歳だからって? なーに、まだ負けとられんよ。身体を大切にして、大いに頑張るさ。 俺の死に場所はベース・グラウンドだよ」と締めくくった。ベテラン健在、である。 前日の高田での試合の結果に、長岡のファンはいよいよ盛り上がったようで、悠久山球 場には午前10時の開門を待ち切れずに、多くの観客が詰めかけた。11時頃から小雨がぱら つき始めたものの、11時半に大洋・名古屋両チームが球場入りする頃には、スタンドは超 満員。フリーバッティングに、暫し感嘆の声が上がる。 試合開始前に、両チーム監督への花束贈呈、井口・新潟日報社長岡支社長の始球式が行 われた。 先発は、大洋・有村、名古屋・徳永。 先制は名古屋。杉山、加藤進、徳永の長短打などで3点を先取。4回には加藤進、松本の 連続二塁打で1点。この間、徳永はコントロールに苦しみながらも、ホップしてくるストレ ートとシンカーが冴えて、4回まで大洋を散発3安打に抑えた。 5回、大洋が反撃。中前打で出塁の木村勉を置いて、藤井が右翼席340ftに3号2ラン。こ の2点が起爆剤となって、俄然活気を取り戻した大洋打線は6回、一気に劣勢だったムード をひっくり返しに掛かる。一死後、二塁打の荒木を、神田が適時打で還して1点。更に代わ った2番手の杉下を攻め、木村が左翼線を破る二塁打、藤井が四球で続いて満塁。そして迎 えるは岩本。1ストライク後の2球目を左中間に叩き込んだ。4号グランドスラム。7−4と なり、大洋がベテラン・岩本の派手な一撃で逆転に成功した。 だが、名古屋は8回、この劣勢を跳ね返す。大洋3番手の神田から、代打・野口が同点3ラ ンを放ち、試合は終盤に来て振り出し。 しかしその裏、大洋が安打の木村を置いて、岩本が左前に適時打を放ち、勝ち越し。9回 はエース・高野がリリーフして、見事に逃げ切った。 満塁弾に決勝タイムリーと、再三にわたる殊勲打を放った岩本と、3安打でチャンスを作 ったトップの木村勉の活躍が目立った大洋。投手を使い果たした上、不調の杉下に連投を 強いて逆転を許した名古屋。継投の巧拙が際立って目立った試合だった。大洋はこれでセ・ リーグ単独2位に踊り出た。 試合終了後、岩本に最高殊勲賞、野口に敢闘賞、そしてこの2人と藤井には本塁打賞が贈 られた。 |
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5回戦 (大洋 4勝1敗) 長岡・悠久山野球場 −人 12:43開始 2時間17分
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| ●05.05 白山 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 連戦の疲れを休める間もなく、両チームは午後5時半過ぎの列車で長岡を出発、新潟シリ ーズ最後の2試合を行う新潟に、午後7時40分過ぎに到着。駅前は選手を一目見ようと出迎 えたファンでごった返した。新潟駅から宿舎まではバス移動だが、これを「市内行進」と 銘打って、2台のバスに新潟日報のニュースカーを先導に付けるという念の入れ様。万代橋 を渡り、小雨に濡れた道路にネオンが美しく映える柾谷小路を進む。沿道では市民が声援 を送る。バスが古町十字路を左折すると、見物の市民も増え、声援がしきりに飛ぶ中、古 町通を白山方面に上って行く。行進は突き当たりの白山神社前で終了。審判・連盟本部員 を乗せたニュースカーは大野屋、大洋は西山、名古屋は源川の各旅館へ。ここでも選手を 一目見ようと集まったファンが殺到。それを掻き分けるようにして宿舎へ入り、暫し身体 を休めた。 白山球場のある、新潟市白山総合運動場と白山公園周辺では、4月12日から新潟日報社の 創立10周年を記念して「日報こども博覧会」が行われていた。陳列館や野外動物園、遊戯 場などが桜並木や緑の樹々に囲まれて、この信濃川左岸河畔の約4,000坪は一大遊園地と 化し、2度の3連休を挟んで約1ヶ月の間、県内の子供達に開放されていた。主な陳列館に は、新聞の歴史や行程を展示した「新聞館」、客船の模型が並ぶ「海運館」、横綱・羽黒 山の化粧回しや、県出身選手が県内外や世界で獲得したメダルや優勝旗などが展示された 「スポーツ館」などがあった。また野外動物園には長さ10mのクジラ、日本最大級のワニ、 アザラシ、台湾ザル、チンパンジーなど、近年の移動動物園にはなかった珍しいものが揃 っていた。この他、市内の県立科学博物館、小林百貨店、大和百貨店新潟店なども会場と なっていた。今回のダブルヘッダーはこの「こども博」のイベントの一環も兼ねていて、 3日には会場で5月1回目のラッキーカード抽選会が行われ、小中学生なら簡単に答えられ る問題に答えれば、ダブルヘッダーの内野入場券などがプレゼントされた。 試合当日は子供の日。選手達も「こども博」会場に駆り出され、大洋からは小西監督、 岩本、清水、荒川、藤井、名古屋からは、坪内監督、西沢、杉下、杉山、原田の計10名に より、午前10時からサイン会を開催した。 白山球場も「こども博」ムードに染まった。当日は両側の内野席を約3m前方に延長。 先着順で小中学生の優等席に充てられた。また球場は、この日が改装柿落とし。土質が硬 いと評判が悪かったグラウンドの土が入替えられ、メインスタンドのネット前方に張り出 す形で役員・記者席が新設された。また、スコアボードにランプを取り付ける工事も行わ れる予定だったが、これは今回には間に合わず、夏頃に行われた。 小雨が降る中、熱心なファンは午前8時の開門と同時にスタンドを埋め尽くした。 サイン会を終え、大洋、名古屋両チームが相次いで入場。フリーバッティングとシート ノックを行った。そして、試合に先立ってミス小林、ミス大和のご両名から小西、坪内両 監督に花束が贈られた後、始球式。ターベルCIC新潟情報部隊長夫人がスタンドからボール を投げ込み、これを村田新潟市長がワンバウンドでキャッチした。 |
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| 第1試合 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 先発は大洋・今西、名古屋はベテランの服部。これまで温存していた服部を起用して、 必勝を期した名古屋。しかし、その必勝策は初回いきなり、脆くも崩された。 1回裏、大洋は服部の立ち上がりを攻めて木村勉、宮崎が連打。続く藤井が三塁打を放っ て二者生還。そして、岩本が左翼340ftへ5号2ランを叩き込み、一挙4点を先制した。服部 は結局、一死も取れずにKO、石川にマウンドを譲った。何でも服部は、前夜飲み過ぎて 二日酔いだったとかで、一塁側の大洋ベンチからは「おーい服部さん、昨夜(ゆうべ)麻雀 やり過ぎたんだろう!?」などと野次が盛んに飛び、場内の爆笑を誘っていた。 かたや今西も制球に苦しみ、1回表は二死、5回は一死で満塁のピンチを迎えたが、いず れも後続を断ち切って、6回に江田のリリーフを受けるまで好投した。5回までに8四球を 与えながらも決定打を打たせず、この間の失点は4回、代打・加藤の左前適時打による1点 のみだった。 5回、大洋は二塁打の藤井、四球の岩本を置いて、荒川が中前に抜ける適時打を放って 2点を追加。点差を広げていった。 名古屋は7回、江田から児玉、杉山、野口が3連打して2点を挙げるが、その裏には大洋 も、ロングリリーフで疲れ始めた石川を攻め、岩本、荒川が四球で出ると重盗を決めて揺 さぶり、その後は平山、安井、荒木らが長短打を集中して4点を挙げ、これでほぼ決した。 結局、第1試合は10−3で大洋が、新潟シリーズ3連勝。三塁打と二塁打2本、長打3本を 放った大洋・荒木の活躍と、初回に服部を打ち込まれて、すっかり気力をそがれた名古屋 の元気のなさが目立つ試合だった。 |
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6回戦 (大洋 5勝1敗) 新潟市営白山野球場 −人 --:--開始 2時間7分
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| 第2試合 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 大洋はルーキー・小倉、名古屋は星田の先発で試合開始。 小倉は新人らしからぬプレートさばきを見せる。伸びのある速球と、小さく曲がるカー ブが冴えを見せ、名古屋打線にスキを与えない。2回にピンチを迎えた時も堂々としたもの で、2四球と、児玉の二塁打で迎えた一死満塁を、併殺に斬って取って見事に切り抜け、以 後は7回まで危なげなく抑えた。 かたやアンダースローの星田もシュートに冴えを見せ、大洋打線に的を絞らせない。 2回、平山に四球、遊失の後、自らの野選で1点を与えたのみで、7回までにシングル2本に 抑えた。 このまま投手戦で終わるかと思われた8回、状況はにわかに一変する。表、名古屋が先頭 の星田が二遊間を抜き、鈴木がバント失敗の後、牧野が左前打、原田が四球で一死満塁と なった。大洋はここで小倉を諦め、高野を送った。ここで、西沢が右前にポトリと落ちる テキサスヒットでまず同点。更に杉山が左前適時打で2点を追加して、遂に3−1と逆転に 成功した。 このまま抑えきれば、名古屋は連敗ストップ。しかし、一筋縄にはいかなかったのが、 今回の新潟シリーズであった。「さあ、始まるぞ!」と気合を入れて始まった、その裏の 大洋の攻撃、先頭の高野が三振の後、木村勉が投手強襲の安打を放った。この打球処理を 焦った牧野が一塁へ悪送球して、木村勉は二進。続く宮崎が左前適時打で還して1点。尚 も藤井が左前打、岩本が死球で一死満塁となったところで、名古屋は大島をリリーフに送 った。平山を遊飛に打ち取って二死満塁。ここで荒川が右前打を放って2点を挙げ、逆転 に成功。更に荒川が二盗を狙って挟殺される間に、三塁走者の岩本がホームを陥れて2点 差に広げ、これで勝負あり。 ツキで先制した1点、終盤のビハインドを粘りで跳ね返して挙げた4点。大洋はとにかく、 やること為すことすべてが図に当たった4連戦。これで新潟シリーズは全勝。名古屋に4タ テを食わせて、4位にまで突き落とした。この4連戦でもコンスタントに安打を打った宮崎 は、23試合連続安打をマークした。 逆に全敗の名古屋は、リリーフ陣の手薄さと、連敗に萎縮して元気もなく、ツキにも見 放された格好だった。 このダブル2試合を通じての最高殊勲選手には、第1試合で2ランを放った岩本と、第2試 合、決勝タイムリーの荒川。両者には新潟市長賞、更に岩本には併せてホームラン賞も贈 られた。また勝利投手の今西と高野には、新潟市議会議長賞。打撃賞の荒木と牧野には、 大洋漁業・新潟マルハ組一同から賞品など、その他が贈られた。 さて、試合が終わった後も、白山球場は大いに盛りあがった。 一般ファンがプロに挑戦する「プロ野球素人腕自慢大会」なるイベントが行われたのだ。 はがきを寄せた百数十名の応募者から選ばれた、10名の一般参加者がバッターボックスに 立ち、プロのバッテリーと対戦するというものである。 せっかくなので、参加者をご紹介しよう(都合上苗字のみ、年齢いずれも当時)。 刈羽郡刈羽村の事務員・佐藤さん(20)、西蒲原郡巻町の工員・中村さん(17)、北蒲原郡 中浦村(現豊浦町)の農業・玉木さん(21)、新潟市稲荷町の公務員・松原さん(29)、沼垂流 作場(現万代)の公務員・佐藤さん(19)、営所通の公務員・斎藤さん(21)、関屋下河原町の 商業・林さん(20)、西蒲原郡黒埼村(現新潟市)の商業・白井さん(19)、新津市市之瀬の農 業・大野さん(27)、新発田市駅前の学生・岩村さん(21)、以上10名(当日2名欠席)。 この迷スラッガー(?)達を相手に、大洋の各選手がグラウンドに散り、守りに就いた。 そしてマウンドには、第2試合勝ち投手の高野が上がり、荒川がマスクを被った。そこそこ 打てそうなボールを放らねばと、少々骨の折れるていだったようだが、それでも全員ボー ルにバットが当たったのは大したもの。 本塁打賞や三塁打、二塁打、安打と、各賞も用意されたが、参加者は軒並み凡打に打ち 取られ、凡打賞を手にしていった。 唯一、ヒット賞を手にしたのは、沼垂の佐藤さん。ボテボテの三ゴロを、安井が後ろへ 逸らしてのサービスヒットだった。しかし佐藤さんは嬉しそうで「バットが軽かったので よく振れた。弟がスタンドで見ていたし、野球狂の父も楽しみにしていた。球が緩くてラ ッキーでした」と、息を弾ませて喜んでいた。 |
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7回戦 (大洋 6勝1敗) 新潟市営白山野球場 −人 --:--開始 3時間55分
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| (1951)interlude 中日球場、真夏の悲劇 |
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