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1953(昭和28)年
巨人−広島
 06.09(悠久山)
=雨天中止
 06.10(白山)
 06.11(高田)


地元出身・鈴木実投手、晴れ姿の御披露目ならず
壮絶な打撃戦に、大いに湧いた新潟の野球ファン
 1953(昭和28)年、新潟県内でのプロ野球公式戦はセの2カード5試合。
2カード目は読売ジャイアンツ−広島カープ。巨人が新潟県内で試合を開催するのは
2年ぶりのこと。広島は新潟初御目見得だった。
 しかも今回は新潟・長岡・高田の県内主要三都市での開催。主催は読売新聞社。
6月9日(火)は長岡・悠久山野球場(後援:長岡市野球協会、協賛:栃尾鉄道)、10日
(水)は新潟市営白山野球場(後援:新潟市野球連盟、協賛:大和百貨店)、11日(木)
は高田市営球場(共催:高田市野球連盟、後援:高田市)という形で連戦が組まれ、
同社新潟支局は「上越シリーズ」と銘打って、同紙新潟版でもPRを展開し、6月に
入ってからは連日、両チームの戦力分析や今季これまでの戦績を取り上げて、戦前
予想を立てていた。


 6月7日現在、第11節を終えたセ・リーグの順位だが、首位は巨人で32勝12敗、勝
率.727。追う2位が4ゲーム差で名古屋(30勝18敗1分、.625)、3位が3ゲーム差で阪
神(27勝22敗、.551)。Aクラスの3チームは、いつもとほぼ同じ顔ぶれ。この頃は
戦前に設立された老舗が圧倒的優位だった。この時点で勝ち越しているのもこの上
位3チームまで。4位以下は2リーグ化で新設されたチームが並ぶ。まず4位は5ゲー
ム差で洋松(21勝25敗1分、.457)、5位は1.5差で広島(20勝27敗、.426)、そして
最下位はダントツで国鉄。勝敗は12勝38敗、勝率は僅か.240である。5月に国鉄−
阪神戦が来県した時から比較すると、阪神がBクラスを脱し、洋松が借金生活に突
入している。金田が一時戦線を離脱した国鉄は連敗に次ぐ連敗で負けが込み、借金
が一気に26にまで膨れ上がってしまった。


 ここまでの巨人−広島は8試合で、巨人の6勝、広島の2勝。完封試合はなく、傾
向としては乱打戦、それも巨人が一方的に打ち勝つパターンが多く、得点は巨人が
68、広島が35となっている。本塁打は両チームとも7本で、本塁打がなかったのは
第1回戦と4回戦の2試合。
 巨人は打撃ベスト20に川上哲治を筆頭に、宇野、平井、千葉、広田、南村の6人
が名を連ねている。投手陣も別所、藤本、大友、中尾の四本柱が健在で、チーム力
は盤石。
 かたや広島も、チーム力が徐々に整ってきた。51年は球団創設2年目にして経営
危機に陥り、給料の遅配や合宿所の家賃の滞納はおろか、シーズン前のトーナメン
ト大会の遠征費までもが捻出できなくなり、一時は「球団解散、大洋ホエールズに
吸収合併」という寸前までいったほど。しかしカープはこの球団存続のピンチを、
地元政財界や市民らの救援金で窮地を脱し、またシーズン半ばには後援会が組織さ
れ、球団の運営も少しずつ軌道に乗り始めていた(日本におけるプロスポーツチー
ムの“ソシオ制度”の走りともいえる)。53年は小鶴誠、金山次郎、三村勲、片山
博が、松竹(実は松竹、前年は勝率3割を割って、こちらも解散危機に陥った。広島
も合併を申し出るなどしたが、松竹は結局、大洋と合併した)から、大洋から木村
勉がそれぞれ移籍して、戦力が充実。創設メンバーのベテラン・白石勝巳も健在。
5月からは、総監督兼球団常務取締役に就任して現場を退いた石本秀一に代わり、
プレイングマネジャーとして采配を振るっていた。投手では、前年の入団当初から
長谷川良平が、エースとして大車輪の活躍を続けていた。この時期はハーラートッ
プタイ(阪神藤村弟と共に11勝)を走り、新潟シリーズの前節・3日には対洋松戦(大
阪)で、8回を終わってノーヒットノーランという大好投を演じる。しかし、9回無
死から中津正三に安打を許して大記録は潰えた。が、1安打完封という見事なピッ
チングは長谷川の好調ぶりを示すものでもあり、新潟シリーズでも大いに期待され
ていた。



 初戦は悠久山。広島は7日の対洋松戦(甲子園)を終えて、夜行急行「日本海」で
8日正午頃に長岡入りし、柳新道の新柳館に投宿。一方の巨人は同じく7日の対国鉄
戦(後楽園)を終えて朝に上野を発ち、午後5時過ぎ着の急行「越路」で長岡駅に到
着、駅前のますや旅館に入った。
 そのますや旅館で、巨人・水原監督が新潟日報などのインタビューを受けた。
浴衣に着替え、普段のダンディーさを少しほぐして、ペナントに意気込むファイト
を覗かせた。
Q.ペナントの行方は、どう予想していますか。
 まだまだ先が長いので、軽率な批判はできない。特に、
今年からは26回総当りの130試合なので、今季は上位・下位
を問わず、1試合1試合に全力を注ぐ着実な作戦を取ってい
るので、予断は許されない。ウチとしては名古屋や阪神な
どのライバルは勿論、下位に対しても全力で対戦し、後半
戦に入っても取りこぼしのないよう心がけている。
Q.本塁打王争いは?
 杉山、西沢(共に名古屋)あたりが本命でしょう。藤村兄
(阪神)も割に活躍している。新人や若手でも目覚ましい活
躍をしている者もいるが、長いシーズンを考え合わせると
古豪に分があるのでは。
Q.新人の渡辺(阪神)、入谷(巨人)、石川(名古屋)が
  活躍していますが。

 3タテを食った渡辺は、基礎がしっかりしていた点が強
みだった。ベテランがあぐらをかいて“お山の大将”を気
取っていては、プロ野球の向上は有り得ない。新旧双方が
互いに刺激し合うところに発展があり、豊田、中西(共に
西鉄)にしても、好不調関係なしに精一杯やっている故の
報いだろう。特に新人投手の場合、“2年目のジンクス”
などと云われているが、いずれにしても有望な新人の登
場は嬉しいことだ。
Q.シーズン前、米遠征をした成果は?
 いろいろプラスになっただろうと取り沙汰されているが
正直な話、50日そこそこで技術的に向上するとなれば、ど
この球団でも懐のことを云々せずにどんどん渡米するだろ
う。平凡なことだが、如何なるプレーにも一生懸命、忠実
にやる…ということを実際に見て来たことはプラスになっ
た。それで遅蒔きながらこの精神を強調し、個人のためで
はなく、チーム本位のプレーを実行しているつもりだ。投
球、打撃、守備のあらゆる点でいろいろな工夫の余地があ
ることを痛感してきたことも、次第に向上の糸口にするよ
う心がけている。
 現在でこそ、日本プロ野球はメジャーとタメを張れるまでになっているが、かつ
て日米間ではまだまだ大きな格差があった。この年、巨人が行った初の海外キャン
プは、日本の野球全体に対しても多かれ少なかれ、向上の機運をもたらしたようだ。


 さて悠久山の試合、用意された前売券4,000枚はほぼ売切れという盛況ぶり。当日
は午後1時半から巨人、2時から広島が、各30分ずつ練習を行った後、長岡市の「ミ
ス野球」と明治製菓の「ミス・キャラメル」から両チームのキャプテンに花束贈呈
の後、午後3時プレイボール、という予定だった。
 更に、かつて野球メンコで知られた紅梅ミルクキャラメル(紅梅製菓)では、今回
の新潟シリーズ3試合で、小中学生3,000名をキャラメルの空箱3個で入場券と引換え
る招待サービスを行い、少年野球手帳や巨人軍お面などのお土産もプレゼント。更
に試合前には、巨人軍選手によるラッキーボールのスタンド投入も行われる予定に
なっていた。


06.09 悠久山

雨天中止

 しかし、悠久山での試合は残念ながら中止となった。
7日来の雨でグラウンドコンディションが悪く、試合は8月中を目途に延期されるこ
とになった。
 両チームは予定を繰り上げ、次の試合地、新潟へ。午後4時38分新潟駅着の列車
で到着し、巨人は白山浦の大野屋旅館、広島は県庁前の源川旅館にそれぞれ分宿。
両旅館にはサインを求める子供たちが押しかけ、大変な騒ぎだったという。

 特に巨人で人気を集めたのは、新潟市出身のルーキー、鈴木実投手だった。新潟
中(現新潟高)を卒業後、仕事をしながら新潟クラブでプレーしていたが、鐘淵化学
にスカウトされ、そこで当時の監督だった岡泰蔵に認められた。この岡監督、実は
水原監督と親交があり、岡監督の紹介によって鈴木の巨人入団が決まった、という
いきさつがある。米サンタマリアでのキャンプ中、かのオドール監督に「球に伸び
があり素晴らしい投手だ」と絶賛を受けたほどの逸材。しかしシーズンに入ってか
らはパッとせず、球威もすっかり影を潜めてしまった。が、新潟遠征が近付くと、
鈴木は素質の片鱗を見せるようになってきた。夢多き少年時代を育んだ白山球場の
マウンドで、郷里の野球ファンの前に晴れ姿を見せ、そして、まるでそれを大成へ
の転機とせんとばかりに、コンディションを整えてきたかのようだった。


06.10 白山
 翌10日の新潟は、梅雨上がりの小雨がぽつぽつと降り、開催が心配されたが、午
前9時の開門と共に内野席はびっしり。平日にも関わらず、白山球場には約8千人の
ファンが詰め掛けた。正午、両チームが拍手の中、グラウンド入り。巨人、続いて
広島が練習を行う中、スタンドは歓声に包まれた。特に鈴木には、プロ入り後初の
凱旋試合とあって、盛んな声援が送られた。尚、当日は観客のうち、先着5,000名
に雪印乳業からアイスキャンデーが贈られた。

 午後1時50分、ミス新潟・今井真佐子さん、準ミス新潟・中川みつえさん御両名
と4名の少年少女から両チームに花束の贈呈。続いて胸に大きな花リボンを付けた
村田・新潟市長による始球式。まっさらなボールを捕手・広田が収めて、午後2時
1分プレイボール。ぐず付き気味の空模様も、試合開始前にはすっかり晴れ上がり、
絶好の野球日和と相成った。


 新潟シリーズ3連戦は2日目だが、前日は中止で、実質的には2連戦の初戦。先発
は巨人が中尾、広島が川本。
 まず先制したのは広島。3回、不調の中尾を攻め、二死二塁から白石が一・二塁間
を抜いてまず1点。続く大沢が三塁への強い当たりを放ち、これを宇野が悪送球する
間に、白石が一塁から長駆本塁を陥れて、計2点を挙げた。更に5回、川本の四球と
金山の二塁打で迎えた得点機に、まず白石が中犠飛。続いて大沢も適時打で2点を奪
って、これで中尾をノックアウト。リリーフに立ったのは別所。しかし、まさかの
KOでウォームアップが足りなかったか、門前に中越適時二塁打を浴び、一挙3点を奪
われた。5−0と巨人を引き離した広島。しかしその裏、巨人が反撃に出る。
 4回まで、川本の前に僅か1安打に抑えられていた巨人だが、四球と安打でノーア
ウトの走者を貯め、川本を引き摺り下ろした。代わってマウンドに上がったのは長
谷川。しかし、こちらも不調で、一死を取った後には一挙に打力を爆発させた巨人
打線の餌食となり、連続6本のヒットを浴びてしまう。更には宇野のスクイズで駄目
押し。巨人はこの回、一挙7点を奪って逆転に成功した。
 だが、広島も食い下がる。またも直後の6回、お返しとばかりに連打攻勢。長持、
岩本の連続安打を足がかりに、四球を挟んで5安打を集中し、一挙に4点を奪い、再
逆転に成功した。
 長谷川はこの逆転劇に立ち直り、6回以降は外角を上手く使って巨人を散発3安打
に抑え込んだ。他方、巨人も3番手の大友が安定した投球で広島を抑え込み、後半は
投手戦の様相。結局、点差はこのまま動かず、9−7で広島が勝った。

 序盤は広島が圧倒的有利。しかし中盤、互いにリリーフが打たれて壮絶な打撃戦
へと様相を変え、一転してシーソーゲーム、そして終盤は投手戦。巨人の追撃を振
り切ってゲームをひっくり返して逃げ切った広島の戦いぶりはお見事。だが5回、
走者2人を出したところで川本を見切ってしまったのは惜しい。続投させていたなら
ば、もう少し楽な展開で逃げ切れたのではなかろうか。
 試合後、広島・白石監督は「先発にははじめ、長谷川を予定していたが、完投が
無理なので川本を立て、やれるところまでやらせた。長谷川が打たれたまま続投さ
せたのは、長谷川に優る投手がなかったためで、結果的には成功したわけだ。ウチ
は別所に対しては絶対の自信を持っている」と語った。徐々にチーム体制が整って
きたとはいえ、選手層はまだまだ薄く、厳しい台所事情が窺えるコメントでもある。


 さて、地元凱旋を果たした鈴木だが、結局登板は果たすことができなかった。
背番号26のユニフォームに身を包んだ鈴木は、3回から4回にかけて一塁側ベンチ横
で盛んに投球練習を行い、スタンドも「そろそろ出るぞ」と色めき立ったものの、
結局出番はなし。
 しかし、真っ黒に日焼けした鈴木の元気そうな姿に、試合中にも「頑張れよ!」
「しっかりやれよ!」という声援がしきりに飛んでいた。



9回戦 (巨人 6勝3敗)
新潟市営白山野球場 8,000人
14:01開始 -時間-分
0 0 2 0 3 4 0 0 0 9
0 0 0 0 7 0 0 0 0 7
(勝) 長谷川 12勝4敗
(敗) 別 所 8勝4敗

広 島   巨 人
(4) 金 山 5 2 1 (6) 平 井 5 2 0
(6) 白 石 4 1 2 (4) 千 葉 4 2 1
(3) 大 沢 5 3 2 R 内 藤 0 0 0
(8) 小 鶴 5 0 1 (9) 南 村 2 0 0
(2) 門 前 5 3 2 H 柏 枝 1 1 1
(5) 山 川 5 1 0 7 樋 笠 1 1 0
(9) 長 持 4 2 0 (3) 川 上 4 2 1
(7) 岩 本 4 1 0 (5) 宇 野 2 0 1
7 磯 田 0 0 0 (8) 与那嶺 4 1 0
(1) 川 本 0 0 0 (7)9 岩 本 4 0 0
1 長谷川 2 0 0 (2) 広 田 4 1 1
(1) 中 尾 1 0 0
1 別 所 1 1 2
1 大 友 1 0 0
H 手 塚 1 0 0


39 13 8 35 11 7
振2 球2 犠- 併- 残- 振4 球2 犠- 併- 残-

広 島   巨 人
川 本 中 尾
長谷川 別 所
大 友

(審判)-

(二塁打)金山、門前
(盗塁)-
(失策)広1、巨2


06.11 高田
 そして、最終日の11日。この日の観衆は、初めて迎える巨人戦とあってか、49年
に高田市営球場が開場して以来、空前の記録となる1万5千人がスタンドを埋め尽く
した。
 この前景気を当て込んで、午前中から入場する観客へのサービスも兼ねて、レク
リエーションとして前座試合が組まれた。午前10時から、紅梅キャラメル女子プロ
軍と、高田市議会議員を中心とした名士チームが、7イニング制で対戦。名士チーム
のメンバーは数日来猛練習を積むなど、相当入れ込んでいたとか。
 試合の方は、女子とはいえさすがはプロ、といった感じで、紅梅キャラメル軍が
5−4で勝利した(詳細スコア不明)。
 昼には両チームが球場入り。練習の後、試合前のセレモニーで高田市長からの歓
迎の辞、続いて両チームに花束贈呈が行われ、午後2時半、新潟シリーズ最終戦が
その熱戦の火蓋を切った。


 先発は、巨人がローテーション通りに藤本、そして広島は奇襲をかけて、今季初
登板の野崎を立てた。
 広島は初回から積極的。白石が珍しく初球打ちを試みるなど、前日の勢いをその
ままにしたような攻撃を見せたが、藤本は4回までパーフェクトに抑え込んで退け
た。藤本が絶妙のコントロールを披露したのに引き換え、野崎は立ち上がりが不安
定。初回、いきなり平井に3号先頭打者本塁打を浴び、3回には平井、千葉の長短打
に白石のエラーが絡んで1点を失った。しかし、4回までは変化球が冴え、野崎はこ
の2点だけで乗り切った。
 5回、広島は無死から安打、四球の2走者を、山川が一塁線に上手く転がして、チ
ャンスを広げる。そして二死後、磯田が中前にクリーンヒットを放つ。同点かと思
いきや、中堅・与那嶺から本塁への返球はストライク。二塁走者の長持は本塁タッ
チアウトで、この回の得点は1点にとどまった。
 “ピンチの後にチャンスあり”とはよく言ったもので、その裏の巨人はビッグイ
ニングの演出に見事成功。四球2つを足がかりに満塁から、千葉が走者一掃の適時
二塁打をはじめ、宇野の今季1号3ランなど、長短合わせて6安打の集中砲火を浴び
せ、実に一挙7点を奪って一気に突き放し、野崎をKOした。
 終盤も巨人は猛打を欲しいままにし、救援の片山らも叩いて、続く6回には2点、
そして7回には更に5点をむしり取って、完全にワンサイドの展開に終わった。巨人
が底知れず、そして容赦のない攻撃力を披露して、16−2とぼろ勝ちした。

 試合後、巨人・水原監督は「広島は、またも野崎を先発させる奇襲戦法だったが、
広島にはいつも先発投手に苦しめられているので、今日は前半に必ず叩き潰すよう、
全員に指令した。平井、千葉の好打で、期待通り戦果を挙げることができた」と、
満足そうに語った。
 広島は、好投した野崎が5回に脆くも崩れたのが誤算。1点のビハインドに追いつ
いた段階から、2日連続で試合をひっくり返せたかもしれなかったのに、疲れの見え
始めた野崎を続投させ、試合をぶち壊してしまった。継投機を見極められなかった
のが悔やまれる。
 尚、本塁打を放った平井、宇野には高田商工会議所会頭のホームラン賞が贈られ
た。



 さて、高田ではこの巨人−広島戦の開催が決まってから、当日のこの日まで大い
に盛り上がっていたわけだが、その一方では5月来、市内では窃盗事件が頻発してい
た。
 5月2日、高田駅前の中頸城郡畜産加工組合の事務所に何者かが押し入り、金庫が
こじ開けられて現金1万円が盗まれたのを皮切りに、15日には高田家政高校(現上越
高校)でミシンの本体と現金2千円が盗まれ、また高田高校では理科室に保管してあ
った顕微鏡のレンズが盗難に遭うなど、高校の教室までもが狙われる異常事態が起
こっていた。
 しかし6月5日夜、高田駅近くの理髪店で、店で扱っていた巨人−広島戦の学生前
売券(外野100円)80枚と電球2個が盗まれたことをきっかけに、足が付いた。程なく
その券が1枚50円で市内の学生らに売られていたことから、中頸城郡内に住む、当
時17歳の高校2年生が浮かび、10日夜、高田署に窃盗容疑で逮捕された。高校生は
いわゆる“高校荒らし”についても自供したという。
 まだ日本が、そして新潟が貧しかった時代。しかし、社会の一員としてやっては
いけないことは、今も昔も変わらない。
 恐らく、今は還暦をとうに過ぎ、穏やかな老後を過ごしているであろう、このご
老人。悪いことを悪いこととすら思わなくなってしまった現代の(一部の)若者たち
を、どう見つめているのであろうか。



 話を球界に戻すが、結局この3連戦、鈴木実の出番はなかった。
延期開催される、長岡の試合での凱旋登板が期待されるところだ。

 その代わりといっては何だが、12日付の読売新聞スポーツ欄には、何故かプロ野
球二軍戦のスコアが載っている。高田と同じ11日に、中日スタヂアムで行われた名
古屋−阪急戦。11−2で名古屋が勝ったが、この試合で長岡商出身の阪急・高頭時
夫投手が、2番手として登板している。ただ、二軍戦とあってさすがにスコアテー
ブルは簡素で、イニングスコアとバッテリーしか掲載されておらず、高頭の詳しい
登板成績までは不明だ。





10回戦 (巨人 7勝3敗)
高田市営球場 15,000人
14:30開始 -時間-分
0 0 0 0 1 0 1 0 0 2
1 0 1 0 7 2 5 0 x 16
(勝) 藤 本 8勝3敗
(敗) 野 崎 1敗
(HR) 平 井3号(1,野崎)
宇 野1号(3,野崎)

広 島   巨 人
(4) 金 山 4 0 0 (6) 平 井 5 4 2
(6) 白 石 3 0 0 (4) 千 葉 4 3 5
(3) 大 沢 4 0 0 4 内 藤 1 1 1
(8) 小 鶴 4 3 0 (9) 南 村 3 1 0
(2) 門 前 3 0 0 9 岩 本 2 1 1
(5) 山 川 3 1 1 (3) 川 上 3 1 1
(9) 長 持 4 2 0 R 中 島 0 0 0
(7) 岩 本 1 0 0 3 手 塚 1 0 0
7 磯 田 2 1 1 (5) 柏 枝 2 0 0
(1) 野 崎 1 0 0 5 宇 野 3 1 3
1 片 山 1 0 0 (8) 与那嶺 5 1 0
1 高 橋 1 0 0 (7) 樋 笠 4 0 0
H 藤 原 1 0 0 (2) 広 田 2 0 0
2 藤 尾 1 0 0
(1) 藤 本 3 1 2
1 多 田 0 0 0


32 7 2 39 14 15
振5 球3 犠- 併- 残- 振2 球5 犠- 併- 残-

広 島   巨 人
野 崎 藤 本
片 山 多 田
高 橋

(審判)-

(二塁打)平井2、千葉、小鶴、藤本、岩本(巨)、長持
(盗塁)-
(失策)広1、巨0






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(1953)
05.12 S−T(栃鉄悠久山),13(白山)
<--> (1953)
07.25 G−C(栃鉄悠久山)


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